紅色に染まる秘密の恋(休筆中)
腕時計の針は18:15をさしていた。
今なら電車に間に合いそうだから
急いで帰らなきゃ…。
エレベーターに向かって
フロアを早歩きしていた時
『あっ、城咲さーん!!
ねえ、ちょっと待ってよ!!』
後ろから誰かに呼び止められた私は
思わず立ち止まった。
……急いでるのに誰?
私は後ろを振り返るなり
ゾクッと悪寒が走った。
その人は
『あぁっ、やっぱり城咲さんだ!!
こんな所で会えるなんて奇遇だなぁ。
ねえねえ、今から帰るんでしょ!?
乗せてあげるからおいでよ。』
と、私に駆け寄るように近づいてきた。
「………三木さん。」
その人は私が以前配属されていた
経理課の先輩社員の三木さんだった。
「…いいえ、結構です。
今ならまだ電車に間に合いますから
すいませんけど失礼します。」
そう言って
急いでその場を立ち去ろうとすると
『…おい、ちょっと待ってくれよ!!』
私は三木さんに腕を掴まれてしまった。