紅色に染まる秘密の恋(休筆中)
「………。」
三木さんが立ち去った瞬間
ブルッと肩が震えたと同時に
力が抜けそうになった私は
思わずヨロッとその場で
よろめきそうになった。
『…危ない!!』
私はガシッと肘の辺りを掴まれた。
顔を向けると
『…おい、大丈夫か?
城咲…しっかりしろ…。』
私の肘を武内課長が掴んで
立たせてくれていた。
掴まれたその手の強さと感触が
コートを着ていても伝わって
「……!!」
紅くなった私は
慌てて踏ん張って立ち直すと
「…あっ、すいません!!
あの…課長、助けて頂いて
ありがとうございました!!」
と、頭を下げてお礼を言った。
課長は私の肘を掴んだまま
『…いや、上司として当然だ。
礼を言うなら河瀬に言え。
三木がお前を追いかけて行くのを
遠くから見つけて
わざわざ俺を呼びに戻ってきた。』
そう言って課長は
後ろにいた河瀬さんに振り向いた。
『…あっ、いや、俺は…。』
河瀬さんは課長と私に
見られているのが照れ臭いのか
肩を竦めながら口角をあげた。