紅色に染まる秘密の恋(休筆中)
「…河瀬さん、すいません。
ありがとうございました。」
私は河瀬さんにも頭を下げた。
『…あっ、そんな…別に。
俺が止めに入っても
三木君は多分効果ないと言うか
怯まないと思ったから
武内課長なら絶対大丈夫だと思って。』
河瀬さんが両手を左右に振りながら
そう口を開いた時
『…おい、河瀬。
何が大丈夫なんだ!?
俺がそんなに怖いと言いたいのか!?』
課長は苦笑いしながら
河瀬さんをジロリと見た。
『…あっ、いえっ。
そう言う意味じゃなくて
武内課長は偉大だから…。』
慌てた河瀬さんは
『怖い』以外の理由を並べて
課長を納得させようとしていた。
すると
『…まぁ、いい。
俺は怖いで通っているし
部下を守るのも仕事だからな。』
そう言って課長は私に視線を戻すと
さっきとは違う少しだけ穏やかな瞳に
私はドキッと高鳴りを感じた。
課長に掴まれたままの肘が
段々熱を帯びていくように
ドキドキと心臓が鳴って
緊張感が増していった。