紅色に染まる秘密の恋(休筆中)
『……。』
武内課長は一瞬の沈黙の後
『…河瀬、お前の好意はありがたいが
さくらさんはお前の迎えに来て
いきなり見ず知らずの同僚女を
同乗させる事に
快く思わない事はないのか?』
と、河瀬さんに視線を向けた。
『…あの…さくらは特にそんな…。
心配には及ばないと思いますが…。
……じゃあ、一応電話してみます。』
河瀬さんはスーツから携帯を取り出すと
通話ボタンを押して電話をかけ始めた。
『…もしもし、さくら?』
河瀬さんはさくらさんらしき人と
通話後課長の方へ向き直ると
『…武内課長、OKです。
心配ありませんのでご安心下さい。
妻が今正面玄関まで来てくれます。
だから…俺と妻で責任もって
城咲さんを代わりに送ります。』
河瀬さんは携帯を仕舞うと
ニコリと微笑んだ。