紅色に染まる秘密の恋(休筆中)
☆羨ましく感じました。
武内課長に引っ張られたまま
エレベーターを降りて
正面玄関へと連れて行かれた私は
その視線の先に
綺麗な女性が立っていたのを見つけた。
『…さくら!!』
私達の横を歩いていた河瀬さんが
珍しく若干大声で
視線の先の女性の名前を呼ぶと
早足でその女性の元に駆け寄った。
女性も河瀬さんに気づいて
手を振りながら嬉しそうな顔をして
駆け寄ってきた。
『…さくら…ありがとう。』
河瀬さんの顔が綻んで
『さくら』と呼んだその女性を
愛おしく見つめると
『…雅也さん…お疲れ様。
いいの…人助けご苦労様。
あなたの役に立てるなら嬉しい。』
と、女性も河瀬さんに優しく微笑んだ。
会話を交わしている2人を
優しくて、穏やかな空気が包み込む。
職場であまり笑わない河瀬さんが
何だか心から嬉しそうに笑っている。
近くにいても立ち入れないほど
2人は仲が良さそうに見えた。