紅色に染まる秘密の恋(休筆中)
さくらさんが私に視線を合わせた。
その綺麗な瞳は
私を見て優しく微笑むと
『…城咲さん、初めまして。
私、河瀬雅也(かわせ まさや)の
妻のさくらと申します。
いつも夫がお世話になっています。』
と、さくらさんは握手を求めるように
スッと私の目の前に右手を差し出した。
真近で差し出された手に
同性なのに一瞬ドキッとしながらも
「…あっ…初めまして。
城咲紅羽です……。
こ、こちらこそ…河瀬さんには
いつもお世話になってます…。
今日も…河瀬さんには
助けて頂いて……すいません。
ありがとうございました。」
と、しどろもどろながら挨拶をした後
私も手を差し出して握手に応じた。
『…いえいえ。
怖い想いされたみたいで大変でしたね。』
さくらさんは
握手した私の手を握ったまま
『…武内課長、後はお任せ下さい。
雅也さんと私で城咲さんを
ご自宅までお送りしますので。』
そう言って課長に視線を向けた。