紅色に染まる秘密の恋(休筆中)

すると

『…うん。正直とても幸せよ。
私は本当にずっと好きだったから
まさか雅也さんと結婚出来るなんて
奇跡じゃないかと思ってるの。
中学、高校の頃の私には
想像していなかった事だから…。

私の呟きを拾って

頬を少し赤らめながら

嬉しそうに話すさくらさんを

運転しながら

ミラーをチラリと見た河瀬さんは

『…さくら。
そんなに熱く城咲さんに暴露するな。
……恥ずかしいだろ。
城咲さんも頼むから
この事はくれぐれもここだけの話な?』

と、恥ずかしさの中にも

嬉しそうな声で私に念を押した。


「…はい…安心して下さい。
誰にも……私は言いませんから。」

私は頷いて約束した。


『…ありがとう。
そうして貰えると助かるよ。』


そう言いながらも河瀬さんの表情は

この後部座席からは読み取れないけど

本当に幸せそうなのは

この雰囲気からして間違いない。


本当に羨ましい夫婦だと思う。

まるで私達の両親みたいに…。


私もいつかこんな風な

愛し愛される結婚が出来るかな…。


幸せな空気に包まれた車内で

私の心がじんわりと温かくなった。







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