紅色に染まる秘密の恋(休筆中)
それは私が武内課長の事を
一緒に暮らす以前から
ずっと堪らなく大好きな男性であり
私の初恋の男性でもある事。
…妹じゃなくて彼女になりたい。
今だって十分幸せだけど
もっと彼の特別な存在になりたい。
その艶やかな黒髪に彼自身に触れたい。
プレゼントしたピアスに
何度なりたいかと思ったぐらい
彼の全てが欲しくて堪らなくなる。
しかし
そんな想いを伝える事は到底出来ない。
もし伝えてしまったら
きっとここにはいられなくなる。
私は彼にとって
『恩師の娘』と言うだけであって
彼の恋愛対象になんて入っていない。
いつ捨てられてしまうかわからない。
だから私は彼と一緒に暮らしながら
会社で怒られてばかりいながら
近くて遠い距離にため息をつきながら
いつか捨てられてしまうかわからない
目に見えない強い不安の中で
私は武内理貴斗こと《りとさん》へ
決して実る事のない
秘密の切ない恋心を抱き
伝えられない想いを秘めながら
心の中で彼への想いを紅く染めている。