紅色に染まる秘密の恋(休筆中)
父の話では
当時の武内課長《りとさん》は
目つきの鋭さは生まれつきながらも
他の児童より長身で
成績も優秀、スポーツも万能だった。
面倒見が良い彼はクラス委員にもなり
この頃からリーダーシップを発揮して
クラス内を纏め上げる力もあった為
同学年の女子児童からも人気があった。
翌年、父は持ち上がりで
4年生になった彼のクラス担任になると
父を慕い、尊敬していた彼は
同じクラスの親友で
後に名門華道家の家元となる
菊地原さんと一緒に休み時間や
昼休みに良く父の元へ
勉強の質問や大人顔負けの難しい話を
聞きに来るようになった。
当初、4年生の担任を最後に父は
学習塾の講師に復職する予定だったが
保護者達からの要望や
私立中学校の受験を考えていた彼達を
卒業まで見届けたいと思い始めた父は
翌年に5年生、その翌年には
6年生のクラス担任となり
計4年間父の教え子となった彼達は
さらなる勉強熱心さが実を結び
6年生の冬にエスカレーター式の
名門私立中学校に2人揃って受験。
結果、2人とも見事に合格した。