はじまりのアリス
時間は21時45分。
夜空には丸い月が浮かんでいた。
学校に着くと校門の前で正人が待っていた。
どうやら正人は日野沢に呼び出されたらしい。
学校の敷地内に入ると校舎の前には沢山の人影。よく見るとそれは2年1組のクラスメイトたちだった。
「――潤っ!」
すぐに駆け寄ってきたのは早川美織。
付き合って半年になる俺の彼女だ。
「怖いよ。なんかヘンなの」
そう言って美織は俺にスマホの画面を見せる。
そこには【話があるから学校に来てほしい】と、まるでコピペのように同じ文章が。
話を聞くと他のクラスメイトたちも同じメールが送られてきていて。送り主はそれぞれ違う人だけど、みんなそんなメールは送ってないと騒いでいた。