極道に愛された、氷と炎の女の物語。(仮)
鳥籠の華
キラキラと光る世界。
赤い鳥籠の外を見つめる。
籠の中から手を伸ばして客を捕まえようとしている奴。
必死に客を探している奴。
この町は異様だ。
普通の繁華街とは違う。
ネオン街でもない。
なら、どこなんだ?って?
ここは、『現代の吉原』つまり、色街。
もっと簡単に言えば風俗店の集まり。
ここは、借金を返せなかったり、身寄りがいない人が集まる鳥籠。
自分の体を売って金を稼ぐ。
そして、借金を返す。
そんなやり取りが行われている。
私がこの世界に入ったのは、3年前の冬。
まだ、14歳のことだった。
< 1 / 271 >