極道に愛された、氷と炎の女の物語。(仮)
「琴葉、笑おう。」
お父さんまで何を言ってるの?
「琴葉、笑って…」
思った。
ここで笑わなかったら後悔するかもしれない…
私は笑った。
うまく笑えたかは分からない。
涙でグチャグチャになった顔で、精一杯笑った。
ピッピッ…ピーー
目の前で延命治療が行われている。
看護婦さんやお医者さんが慌ただしく動いている。
隣ではお父さんが崩れ落ちていた。
お母さんが……死んだんだ…。
地獄の始まり……