極道に愛された、氷と炎の女の物語。(仮)
真っ赤…いや、赤黒く染まった包帯。
中からはシャワーの音と剛のうめき声が聞こえる。
荒い息遣い。
何が起こってるの?
次の瞬間。
剛のうめき声と共に倒れ込む音が聞こえた。
「剛!!!」
扉を開ける。
剛は床に横たわっていて胸のあたりを押さえている。
胸らへんから血がダクダクと出ている。
「な…によ。これっ。」
体中から汗が吹き出す。
こんなのずっと我慢してたの?
ずっと…我慢して笑ってくれてたの?
私を安心させるために?
「琴葉…。大丈夫だ。こんな怪我、大したもんじゃねぇ。」
こんな怪我!?大したもんじゃない!?
たくっ!どんな感覚してるのよ!
「ダメッ!血がたくさん出てる!ベットに運ぶから!」
でも、どうやって?
私はポケットから携帯を取り出して大森組に電話をしようとした。