極道に愛された、氷と炎の女の物語。(仮)
意識が戻る。
誰かが頭をなでてくれている。
温かい手。
「すまない。琴葉。」
悲しい声。聞き覚えのある声。
私はこの声に何度助けられただろう。
この人に何度救われただろう。
この人は私のすべてを受け止めてくれるのではないだろうか。
もし、もしそうだとしたら、私は本当の自分として過ごせる。
もしかしたら、諦めていた人生にこの人は花を置いてくれたのかもしれない。
だとしたら私はこの人についていく。
私に道を教えてくれた人。
たぶん。多分私が今1番想っている人。
この人になら話せるかも。