極道に愛された、氷と炎の女の物語。(仮)
動いていた車が止まる。
私は目を開けて頭をなでてくれていた人を見る。
その人は心配そうなどこか悲しそうな目で私を見る。
「そんな目で見ないで。」
そんな目で見られると怖い。
消えてしまうようで、すごく怖い。
「琴葉。すまない。」
そう言って私を抱きしめてくれる腕はやっぱり一番安心できた。
「今、こうやって抱きしめてくれてる事が私の救いなの」
だから、そんな顔しないで
「でも、怖かっただろ。震えてた。気を失ってる時も」
まだ、私は過去から開放されていない。
でも、開放される日はそう長くない。
きっと、鍵を開けてくれるのは君でしょ。
「剛…。会いたかった…。」