純愛リハビリ中
この日の仕事が終わり、私はいきつけのバーへと向かった。
ここは静かな雰囲気で落ち着くので、都会の喧騒や日々のストレスを一瞬忘れさせてくれるお気に入りの場所になっている。
バーの若きマスターがグラスを丁寧に拭きながら、「こんばんは」と私を笑顔で迎えてくれた。
黒髪にはくるくるとしたオシャレなパーマがかかっていて、肌の色は浅黒く、顎には綺麗に整えられた髭がある。
有名なダンスユニットにでもいそうなマスターは、ワイルド系イケメンで、この仕事がよく似合う。
私はカウンターの奥に陣取り、今日の待ち合わせの相手である本城という男を待っていた。
時間ぴったりに現れた本城は、私を見つけると隣の椅子に腰掛けてウイスキーを注文した。