純愛リハビリ中
「久しぶりだね」
「そうですね」
柔らかく会話を交わしながら、本城は胸元のネクタイを緩めた。
私がこの人と会うのは今日で二度目だ。
前に会ったときと同じように、ワックスで髪を流すように綺麗に整えている。
「咲羅ちゃん……なかなか連絡くれないから……」
「重要なお話って、なんでしょうか?」
私はわざと敬語で話し、物理的にも精神的にも距離を取った。
先月、大学時代の友人たちに誘われた飲み会があり、一般的な居酒屋に集まったのだけど、たまたま私たちの隣のテーブルにいたのが本城だった。
友達数人とお酒を楽しんでいた本城が、私に声をかけてきたのが事の始まりだ。