純愛リハビリ中
「白井はなにか予定あるのか?」
「ないけど……行きたくないの」
「そう言うなよ。行かなきゃなんとなく角が立つだろ?」
今更角が立ったとしてもかまわない。
私はそういうのは元から気にするタイプではないから。
それが気になるようなら、あんなにひどい噂を流されているこの会社に勤めていられない。
「じゃあ、俺とふたりでどこか行く?」
その理由なら飲み会には不参加でいいとでも言うのだろうか。
バカバカしくなって、自然と小さく溜め息が出た。
「絶対無理」
「あのな、絶対とか言うなよ。俺だって傷つく」
傷ついたフリをしても無駄だとばかりに、重森をギロリと睨んだ。
重森の言う“どこか”は、ホテルしか考えられないからだ。