純愛リハビリ中
私は酔っていたのもあって、ホテルに行く前に本城と電話番号などの連絡先を交換してしまったのだが、それには激しく後悔している。
私のほうで着信拒否設定もできるけれど、できればそれはしたくはない。
なるべく穏便に終わらせたくて今日は私なりにケジメをつけに来たのだ。
「咲羅ちゃん、俺と付き合ってよ。身体の相性だって良かったじゃないか」
そう思っているのは彼だけで、私は本音を言うなら相性は良くなかった。
今は論点はそこではないので、わざわざ反論はしないでおくけれど。
「私たち一夜限りで終わらせましょう」
「俺とは……付き合えない?」
「はい。だって本城さん、結婚してますよね?」
私の言葉で、本城の目がうろたえたのがわかった。
隠し事が見つかって挙動不審になったという感じで、とてもわかりやすい。