純愛リハビリ中
それで観念したのか、眉尻を下げて本城がショボンと肩を落とした。
気づかいが足りない人に不倫は向いていない。奥さんにすぐにバレるのが目に見えている。
「す、すまない。隠すつもりはなかったんだ。でも最初から正直に話したら、咲羅ちゃんは付き合ってくれないと思って……」
「だからって、あとから言えばいいというのもおかしいでしょう?」
私はあきれて小さくため息を漏らした。
不器用なわりに、ずるい部分が垣間見えていて、私は嫌悪感が沸いてきてしまう。
「もういいですから。会うのも連絡もこれきりに。だいたい私、本城さんとは最初から付き合うつもりはありませんでしたから」
申し訳ないけれど、それが私の本音だった。
結婚していることを抜きにしても、彼に対して好きだという感情がないのだから付き合う理由がない。
心が痛むとすれば、彼の奥さんに悪いことをしたと思うだけで、裏切られたとショックを受けたり、傷ついたりはしていない。