純愛リハビリ中
「は? なにそれ……俺のこと、好きじゃないの? それなのにお前は俺に抱かれたのか?」
私の言葉に腹が立ったのか、本城の口調と表情が一変した。
さっきまでは私の知る、優しくて穏やかな顔だったのに、今は別人のようだ。
私の呼び方も、“咲羅ちゃん”から“お前”になっている。
「本城さんは、私を好きなんですか?」
「好きだよ」
「本当に? あの居酒屋でたまたま意気投合しただけですよ? その場の雰囲気でホテルに行こうってなっただけで……」
あの一瞬で私に惚れただなんて考えられない。
感情などなく、ふたりとも酔った勢いでの行為だっただけだ。
「あのな、そういうのを“ヤリ逃げ”って言うんだぞ?」
本城の発言を聞き、男が女にそれを言うのかと驚いて軽く固まってしまった。