純愛リハビリ中

「私、ある意味病気なんですよ。病名は“本気の恋の始め方を忘れた病”」


私がおどけるように笑うと、戸羽さんも「長い病名だね」と言って笑みを浮かべた。


「実は彼も同じ病気だから、ふたりでリハビリしようって決めたんです」

「……そっか。医者の俺でも治せない病気だね」

「はい。彼は私に重要なことをたくさん教えてくれたように思います。でも……私は彼を好きなのかわからない。これははたして恋なのか、自信がありません」


斗夜とのデートは時間があっという間で、話していて楽しかったし飽きることなく過ごせた。

だけど斗夜が時枝さんと毎日蜜月だった今週は、ずっとモヤモヤとした感情に支配され続け、その正体がわからずに、苦しみ続けた。

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