純愛リハビリ中

思わず駆け寄ってそう尋ねたのは、斗夜はまったく濡れておらず、雨が降る前からここに居たのだとすぐにわかったから。


「少し前だよ。電話したんだけど繋がらなかった」

「ごめん。電車に乗る時に音消しててそのままにしてた」


マナーモードに設定していて、バッグの中で着信しても気がつかなかった。
斗夜から電話が来るとは思いもしなかった。

来たのが少し前なんて嘘だろう。
私が電車に乗っている間に雨が降ってきたのだから、かなり待っていたはず。


「ここ、よく覚えてたね」

「ああ」

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