純愛リハビリ中

以前、初めてデートをした日に送ってもらったことがあるが、斗夜は一度来ただけのこの場所を覚えていた。


『実際にトウヤ君に会えばすぐにわかるよ』


戸羽さんに言われた言葉が頭をかすめる。
正直、すぐに理解できなかったけれど、今わかった気がした。

心配して斗夜が来てくれたことがうれしくて、こんなにも胸を高鳴らせている。

これが“恋”ではないなら、いったいなんだと言うのだろう。


「とりあえず入って?」


玄関扉の鍵を開けながら、斗夜を部屋へといざなう。


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