純愛リハビリ中
「じゃあ、また別の日に」
「うん。……飲むのはいいけど、ホテルは行かないからね?」
「お前、いつもそれ言うよな。先に言われたら誘えないだろ!」
重森の声が少々大きくて、周りに誰もいないか心配になり、キョロキョロと確認してしまった。
ものすごく迷惑だから、早く自分の席に戻ってもらいたい。
「誘われたくないから言ってるの」
重森とは付き合ってもいなければ男女の関係でもないし、今の言葉は本心だ。
営業事務として働く私、白井 咲羅は、同じ営業部所属の重森のことは好きでも嫌いでもなく、恋愛感情など微塵もない。