純愛リハビリ中
「今日会うヤツとはヤるのか? 今日は金曜だから明日休みだしな。なのになんで俺の誘いは断るんだよ。 俺、イケメンだろ?」
自身をイケメンだと豪語する重森にあきれて、視線をパソコンに戻した。
だいたい、話の内容が下品だ。
それを特別仲が良いわけでもない同僚の女性に堂々と話せば、セクハラになるとは考えないのだろうか。
「その人とは会うだけよ」
パソコン画面を見つめたままポツリとつぶやく。
真面目に答える必要はないのに、変に誤解されたくなくて否定の言葉を口にする。
「話があるって、呼び出されてるの」
「男はそう言いつつ、結局誘うんだよ」
「でもホテルは断る」
実は正直なところ、今日会う人とはなにもないわけではなく、以前にはあった。
だけど、今夜はホテルには行かないと決めている。それは誓ってもいい。
「何かワケアリか?」
「……何の話か知らないけど、しつこい男は嫌いなのよね、私」
そう言って横に立つ男を嫌味っぽく見上げると、重森はクスっと笑う。