純愛リハビリ中

「なんか最近、お堅い感じだよな。元々は俺と同じでゆるゆるなはずだろ?」


人を外れかけのネジみたいに言わないでもらいたい。
だけどあながち間違っていないから、面と向かって反論もできないけれど、重森みたいに遊びまくってはいないと思う。

結局重森は抱ける相手を探してるだけで、誰でもいいのかな?
私が軽そうだと思って目をつけただけかもしれない。


「私、社内で遊び人だって噂されてるもんね」


感情の色を乗せずに淡々と言葉を紡ぐ私を見て、重森がおかしそうにフフっと笑った。


数ヶ月前、私は同じ会社で五歳ほど年上の他部署の男性社員に突然告白されたことがあった。


その人とは面識はあったけれど、とくに仲良くしていたわけでもないのに、いきなり付き合って欲しいと交際を申し込まれたのだ。

私にとっては突然すぎる申し出だったので、付き合うことはできないと、丁重にお断りをした。


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