純愛リハビリ中

『リハビリの連絡ならメールでしてください』


私はスマホを操作し、愛想のない至極簡潔な文章を彼に送信する。


『レストラン予約しとくよ。食事でもしながらリハビリしよう』


するとすぐさま私のスマホが点滅して、返事が来たことを告げた。
どうやら彼は、当たり前だがメッセージアプリを使えるらしい。

そのあと時間と場所を知らせる連絡が入り、私は仕事が終わると会社を出て、指定された場所で少し待っていると、八木沢さんが微笑を浮かべながら颯爽と走り寄って来た。


「悪い、待ったか?」


会社で見るより、外のほうがこの人のカッコよさは引き立っている。
手足が長くてスタイルがよく、色気が溢れ出ているので、これなら放っておいても女性が寄ってくるだろう。
そんなふうに思わず冷静に分析してしまった。


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