純愛リハビリ中
「そんなに待ってない」
バーでの別れ際、八木沢さんが堅苦しいのは嫌だから、プライベートでは敬語はなしでと言ってきた。
そして、ズレた感覚を自覚することが大切なので、意見があるときはお互いに遠慮なくなんでも話し合うことにした。
考えてみれば、私には本音で恋愛を語れる男友達はいない。
男性目線ならどう感じるのか、などと疑問を抱いても、今まで相談できる男性がいなかったので、気軽に聞ける相手ができたのは内心うれしい。
「腹減ったな。飯行こう」
「うん。レストラン?」
「ああ。でも俺、この辺りはよく知らないから、彰に聞いたんだ。落ち着いた感じで、雰囲気の良い店はないか?って」