純愛リハビリ中

「俺のことも“斗夜”でいいよ」

「突然お互い呼び捨てって……別に付き合ってるわけでもないのに」

「まぁ、そうだけど。友達だと思えばいい」


軽く笑っている彼を見ていると、他意はないのだと悟った。

それにしても、下心のない男性とふたりで食事なんて何年ぶりだろうか。
本当に気楽な食事だ。


「咲羅は、どんな男が好きなの?」


前菜のキッシュが運ばれてきて、その味をゆっくりと堪能しながら他愛のない会話をしていたはずなのに、唐突に斗夜が話題を切り替えた。

< 62 / 201 >

この作品をシェア

pagetop