純愛リハビリ中
「どんなって?」
「タイプとかあるだろ」
「そっか……」
好きな男性のタイプをなんとか捻り出そうと考えるものの、上手く思い描けず、言葉にもできない。
というより、あんまり今まで考えたことがなかったのだ。
「見た目は……例の暴力男みたいな感じか?」
「は?」
ほんの一瞬、それが誰なのかわからなかったけれど、本城のことだ。
一刻も早く私の記憶から消し去りたい男なので、半分くらい忘れていた。
「それは違う。居酒屋で飲んでて気が合ったと思っただけ。……誘われた勢いだよ」
あきれるような発言をしたはずなのに、斗夜は「そうか」と返事をしてワイングラスに口をつけた。