純愛リハビリ中

重森が本気ではないのはわかっているので、いつも通りアッサリと軽くかわした。
私はくだらない噂は気にしないけれど、重森とだけは噂になりたくないと心から願う。

その理由はふたつある。
まず第一に、重森と私が噂になれば、遊び人同士が安易にくっ付いたと思われるし、それは私にとってものすごく(しゃく)なのだ。

第二に、社内には、重森が軽いとわかっていても付き合いたいと願う女子も存在する。
この営業部まで目をハートにしてやってくる女の子を見たことがあるし、少なからず重森がモテているのは間違いない。

なので、自ら新たな敵を作りたくないのだ。
誤解された上に恨まれるのは二度とご免だから。

私にだって“学習能力”というものがちゃんとある。

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