悪戯なキス


絶対
「一国の女王が悠々と観光なんて…」
とか、
「貴女の立場をわきまえて下さい。」
とか。

私だってもう子供じゃないのよ!

そんなことを考えていると、

「女王様、失礼します。」

爺やが紅茶を持ってきた。

微かに鼻先を掠めるその香りが、
あたしの心を落ち着かせる。

…紅茶の香りは嫌いじゃない。
嫌いなのは味よ。
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