禁断の恋~彼の弟を愛してしまった私~

「本当ですか!?
良かった~断られたらどうしょうかとヒヤヒヤしましたよ。
あ、これ兄貴には、内緒ですよ?嫉妬とかされたら後で怖いし…」
嬉しそうに話す彼。

「分かったわ」と言ったものの本当に受け取って良かったのか迷う沙織。

(悠一と秘密で薫君と一緒に映画を観る…)
まるでデートのお誘いみたいだわ。

悠一に罪悪感は、あるものの心の中は…嬉しくて仕方がなかった。
また、彼と会える。

しかも、好きな映画を観ながら
そう思っただけでも胸が弾む気分だった。

その後も映画の話しで盛り上がり楽しい時間を過ごす。
自宅に帰っても浮かれた気分が残ってる。

きっと最近まともなデートが出来てないからだと思う。
悠一は、仕事に追われてるし…

そう…きっとそうよ!そうに違いない。
何度自分に言い聞かせただろうか?

翌日の仕事は、昨日と違い気分良く捗った。
人とは、現金なものだと思う。

何か楽しみがあると忙しくても苦じゃない。いや…苦があるから楽しみも倍増するのかも知れない。

「どうかなさったんですか?今日は、何だか楽しそう」
後輩の子が不思議に思ったのか訊ねてきた。

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