禁断の恋~彼の弟を愛してしまった私~
「あら、そう?
フフッ…ごめんなさいね」
そんなに態度に出てたのかしら?
「もしかして彼氏さんとデートとかですか?」
「まぁ、そうね」
違うとは、言いにくい。
なんせ彼氏の弟となんだし…
でも、悠一の時より浮かれているのは、確かだ。
チケットをチラッと覗き込む。
夢みたいな話よね。
だって…会いたいと思ったら会えたんだもの。
少しぐらい…夢を見ていたい。
例えすぐに覚めるような夢だったとしても…
そう思いながら過ごす。
そして、運命が別れる日が来てしまった。
この日のために新しい服を新調した。
化粧もいつもより念入りに。
まるで初デートに向かう彼女のような気分。
指定された場所で待っていると
「沙織さ~ん。
お待たせしました」