禁断の恋~彼の弟を愛してしまった私~

ハァッ…と溜め息を吐く。
せっかくのデートを喧嘩してぶち壊す訳にもいかないし

「分かったわよ…連れて来たら?」
渋々承諾をする。

今思えば、この時に会わない方が良かったのかも知れない。 だけど、

その当時の私は、そんな事なんてまったく考えても見なかったのだ。

指定されたいつものお店に行く。
(本当なら悠一と2人で来るはずだったのにな)

お洒落なイタリアンのお店。
男2人に女1人で行くには、やや問題があるような気がする。

先に行き待って居ると2人が現れる。
「お待たせ~沙織」

そう言う彼に振り向くと私は、一瞬息が止まったような感覚がした。

「こいつ…弟の薫。
女みたいな風貌と名前だけど、ちゃんとした男だから」
冗談混じりに言う彼。

彼を最初に見た第一印象は…細身で中性的な顔をしたイケメンだった。

兄の悠一は、どっちかと言うと筋肉質のスポーツマンタイプ。
顔も男らしい感じで…まったく似ていない。

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