禁断の恋~彼の弟を愛してしまった私~
彼もその事は、自覚しているのか…私に言葉を要求しない。
ただ自分から
「沙織さん…好きだ」
「一緒にずっとこうやって愛せたらいいのに…」
そう言って囁くだけ。
その言葉を囁かれるたびに切なく、甘酸っぱい関係になっていく。
ただ私達は、許されない関係だと分かっていてもお互い惹かれ求め合ってしまう。
いや…むしろ許されないと理解してるからこそ、余計刺激的に惹かれるのかも知れない。
(もっと…もっと…彼に愛されたい)
拒めば拒むほど、その気持ちが強くなっていった。
しかし、そんな私達の大きな壁は、彼の兄で私の恋人・悠一の存在だった。
今日は、出張から帰って来た悠一と食事をする事に
「本当…課長は、俺に出張を押し付け過ぎなんだよな…」
「そう…大変なのね。
でも、それ以上に期待されてるからじゃない?」