禁断の恋~彼の弟を愛してしまった私~
お互いに食べたい物を注文した。
そして、乾杯をしてワインを飲む。
「しかし、びっくりしたな…兄貴の彼女が、こんな美人な人だなんて」
「そうか?
まぁ、俺の彼女だから当然だろ」
冗談のように笑う悠一。
「…そう?お世辞でもありがとう」
お礼を言うが正直…悠一の事より彼の言葉が気になってしまう。
(美人と言われてしまった…)
冗談だと分かっていてもドキドキと心臓が高鳴った。
私は、けして美人の方じゃない。
もっと綺麗な人なんて数えれないぐらい居るだろう。
だからこそ、そんな風に褒められると照れてしまう。
「本当ですよ。
兄貴より先に出会ってたら俺が口説いてたかも」
「こらこら、薫。
人の彼女を口説くんじゃない」
「アハハッ
兄貴は、堅いなぁ~」
そう言いながら笑っている彼。
やめて…今の私には、心臓が保たない。
綺麗だと言ったり先に出会ってたらと言ったり…冗談だと分かっていても彼に言われると本気にしてしまいそうだ。