禁断の恋~彼の弟を愛してしまった私~
「返事が欲しい」
真剣に伝える悠一。
沙織は、正直戸惑っていた。
本来のプロポーズならこんな嬉しい事は、ない。
付き合いが長くなるほど…関係がマンネリ化して行った。
だからこそ、自分を選んでくれた事が喜ばしい事だ。
なのに…
頭の隅に彼の姿が浮かぶ。
彼の…ぬくもりが思い出していく。
私は、気づかれないようにお腹を触った。
悠一か薫君かどちらが父親だか分からない私の子供。
私は、このまま彼を選んでしまって良いのだろうか…?
あなたの子かも分からない子を育てさせる気?
「……。」
「沙織…?」
なかなか返事をしないため首を傾げる悠一。
彼も薫君も失いたくない。
でも…もうこれ以上罪を重ねたくない。