禁断の恋~彼の弟を愛してしまった私~
「正直ショックだった。ショックのあまり…薫にも問い詰めるぐらいに。
だけど…確かに俺は、仕事を理由に沙織をほったらかしだった」
「会ってもマンネリ化気味だったし
それに比べあいつ…薫は、昔からマメだったしモテた。兄弟なのに…何でこうも違うんだと学生の頃から思っていたほど…」
「違う…あなたには、あなたのいい所があるわ!!ただ…私がいけなかったの。
彼に惹かれて…」
申し訳ない気持ちになる。
「なぁ…沙織
お前は、まだ薫が好きか?」
「…えっ?」
ズキッと胸が痛む。
未練がないと言ったら嘘になる。
でも、それは…悠一も同じ
葵を見ていたらなおさら…悠一の顔が浮かんだ。
「この子の父親は、俺みたいだな。
なぁ、もしまだチャンスがあるのなら…いや、この子のために」
「沙織…俺達やり直さないか?
気持ちがあいつにあってもいい…俺は、沙織とこの子と一緒に生きて行きたいんだ!」
そう言いながら再度プロポーズをしてくれる。
「……悠一」
心が揺れた。
私だって、出来るのならやり直したい。