禁断の恋~彼の弟を愛してしまった私~
この子のためにも…
だけど頭の片隅に浮かぶのは、薫君の姿だった。
悠一が再びプロポーズしてくれてるのに…なんて罪深い女なのだろう。
「……私は…」
そう言いかけた時
「パパ…?」
えっ…?
葵が初めて会ったばかりの悠一をパパと呼んだ。
教えてないのに…
「そうだぞ。
俺がパパだ!!可愛いなぁ~葵だっけ?名前」
「えぇ…」
戸惑いながらもそう答える。
「葵…いい名だ。
よし、葵…パパと一緒に住みたいか?」
「パパ。いーよ!」
何も分からないはずの葵がそう返事をした。