想いを伝えるその日まで
奈由との出会いは、三年前に遡る。
元々、俺――黒田透(くろだとおる)は、奈由の兄である鈴木健治(すずきけんじ)の友人だった。
当時、俺と健治は高校三年生で、奈由は高校一年生。
健治に誘われて鈴木家に遊びに行くと、よく顔を合わせていた。
話をしてみると奈由は読書が好きで、スポーツが好きで、俺とよく話が合った。
年の差も、たったの二つ。俺たちが仲良くなるのに時間はかからなかった。
健治がいない時でも鈴木家に遊びに行くくらい仲良くなり、いつのまにか。
いつのまにか俺は、奈由に惚れていたのだ。