想いを伝えるその日まで
第五話·黒田の過去
「そんな高校時代、黒田さんはモテていたんですか?」
奈由の一言に、胸がドキリとする。
いつか聞かれるかもしれない、とは思っていた。
決して、うぬぼれではなくて。
俺の過去は、高校にいつまでも『伝説』として残ってしまう過去になった。
やはり、奈由も聞いたことがあるのだろう。
一気に、体温が下がっていくような気がした。