忘れさせて 先生・・・・
部屋のキッチンで、夕食の用意をした

私が、以前使ったキッチンと何も変ってなかった

彼女の 匂いのしない部屋

薄らぐ嫉妬感と いつも以上に愛を感じる一言一言に 別れの決心が鈍る

「出来たよ」

「うまそう」

ベッドルームから あらわれた彼の手には 小さな箱があった

食堂テーブルに座ると 彼から その箱が 渡された

「開けてみて」

「うんん。もう真人から形に残る物は、貰いたくない。別れた時 辛いから。」

「さあ 食べよう!! 真人」

わざと 元気な声

悲しそうな 真人の瞳

今日のすき焼きは、涙の塩辛い味がした 一生わすれられない 味だった


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