忘れさせて 先生・・・・
いつもの、海 

真人に結婚する事を聞かされた日の 荒れた冬の海から 春の穏やかな海へと変っていた

何も、話さず ただ 海を見ていた

どれぐらいの時間が過ぎただろう・・・・

「結衣 俺と別れる?」

「うん」

「もう、逢わないって事だよな」

「うん」

「そうか」

隣に座る 真人の 長い腕が 私の肩を抱いた

心地よい波の音を聞きながら 真人の肩に頬を乗せた


「結衣 俺は すごく すごく ずるいけど まだ 愛してるよ。そして、これから先も 愛してるよ」

「でも、結婚するんだよね」

「そうだな」

不思議と涙が 出なかった







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