忘れさせて 先生・・・・
先生が タバコの煙を見ながら 

「田中 お前が言った 『好き』は どの程度なんだ?」

「う~ん」

暫らく 続く 沈黙の時間

先生が タバコをもみ消し、 私の頭の上に 手を置いた

「すぐに 答えが 出ないのが 答えだな」

そう言うと 私を先生の胸の中にスッポリ収めた

「お前 もっと 自分の感情 出せよ」


「出さないから。辛いんだ。忘れられないんだ。」


「・・・・・・・」


「前の彼氏と 別れると時 見っとも無い位 泣いたり わめいたり したか?」

「出来なかった」

「そうだろ。妙に 大人になりすぎるから 結局は 自分の中で消化不良を起してるんだよ。 もっと 自分に素直になれ。 オレが、受け止めてやるから。」

声を上げて泣いた。 先生は じっと私を抱きしめ続けてくれた。

「大丈夫だよ・・・・・・」って言い続けながら

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