忘れさせて 先生・・・・

もう　ドキドキ感で　どの様にして産婦人科の待合室に来たかわからないけど

今　母とこうして　産婦人科のベンチに座っている

隣に座る　母が　頻りに　腕時計を見ている

「お母さん　仕事　大丈夫？」

「うん　でも　今は　結衣の方が心配だから」

「仕事　戻って」

「何　言ってるの　こんな時に」

「私なら　大丈夫。　何があっても必ず　お母さんに相談する」

私の目をじっと見つめる母に、強く頷いた

「お母さん　わかってるでしょ。　私が　彼と別れたの？」

「うん」

声にならないぐらい　小さな声　いつもの　強い母から考えられない・・・・

「もう　お母さんしか　私は　頼る人は居ない。どんな結果でも、必ずお母さんに報告する　約束するよ」

「１人で不安じゃない？」

「大丈夫。私は、大丈夫。　だから　仕事に　戻って」


「結衣・・・・」

何か言いかけた母を振り払うように、強く強く　頷いた

母は　、ビジネスバックを持ち　何度も私を振り返りながら　仕事へと戻った