忘れさせて 先生・・・・
結衣が 玄関から 出てきた

少し 痩せた 彼女は ほんの数ヶ月前に 逢っているのに 別人のように 大人に見える

自分の鼓動が 気になる 胸を締め付けるこの気持 結衣にしか 持てない気持

結衣が 無言で 助手席を開けて 車に 乗り込んだ

彼女を 壊れるぐらい 抱きしめたい衝動にかられる

自分の理性と戦いながら 車を 出した

車を 走らせながら 結衣の横顔を眺めた

あどけなさが 消え 大人に なっていく 彼女・・・・・

海で 聞かれた

「真人 今 幸せ?」

その答えは 決まっている 

『結衣を 失ってから 幸せとは 言えない』

これを 声にしてしまったら 結衣は 確実に 苦しむ

そして 俺自身も 今の 全てを 捨ててしまう・・・・

『結衣 まだ 愛してる』

心の中で 何度も 呟いた



 



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