忘れさせて 先生・・・・

真人に　送ってももらった　余韻に　浸る暇など無く　心の中が　ざわめき始めた

大きな　ため息とともに　玄関の扉を開けた

「ただいま」

リビングを覗くと　池山先生とお母さんが楽しそうに　話しているのが見える

「結衣　おかえり」

満面の笑顔で　迎えられた

このまま　２階の自分の部屋へ　駆け上がりたい衝動を抑えながら　２人が待つリビングへ　足を向けた

母親の隣に座った

『何か　話さなきゃ！！！』

気まずい空気が　流れ　始めた時

「では　そろそろ　失礼します」

そう言って　池山先生が　立ち上がった

「先生　お夕食でも　一緒にいかが？」

「いや　お母様も　明日から　海外出張ですし　今日は　娘さんと　ゆっくり過ごして下さい。」

「そうですか・・・　結衣ちゃん　玄関までお送りして」

そう言われ　池山先生の後を　後ろを追いかけるように歩いた