忘れさせて 先生・・・・

時計が１０時をさした頃　香奈と先生は　車で　帰っていった

１人になると　少し寂しい

今までも　こんな時間に１人でいるのは　慣れているはずなのに　もう　誰も帰って来ない事が　不安にさせる

そんな　不安な　気持のまま　お風呂に入った

お風呂上り　１人で　ソファーで寛いでいると

ピンポン♪

『怖いよう～　それに　もうパジャマ！　ヤバイ　どうしよう！！』

自分の心臓の音が聞こえる

『助けて　先生』

テーブルにあった　携帯を持つ手が震える

アドレスから　池山先生の文字を見つける

焦る気持で　ボタンを押した

なのに・・・・・

携帯から　聞こえるのは　無機質な　留守番電話サービスの声

『ヤダ　どうしよう』

少し　半泣きになりながら　携帯を握り締めてると　突然　手の中にある　携帯が振るえ出した

ディスプレーに写し出される文字で　堰を切ったように　涙が出てきた

「もしもし　グスｯ・・・・・・」

「どうしたんだ？　泣いてるのか？」

「・・・・・・・・・・」

「ちゃんと返事しろよ。」

「はい　グスッ・・・・・」

「今　お前の家の前の玄関。　開けて！！」

「えっ・・・」

「インターフォン鳴っただろう　寝てたのか？」

「誰か来たって思って　怖くて・・・・・」

「バカ　モニターで確認しろ」